疾患概要
(患者・ご家族の方向け)

15) 16p12.1微細欠失症候群

1.16p12.1(じゅうろくぴーいちにてんいち)微細欠失症候群はどのような病気ですか?

知的障がい、言語発達の遅れや言語の障がい、発達障がいなどをきたす疾患で、染色体微細構造異常症候群の1つです。

2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

現時点では不明です。

3.この病気はどのような人に多いですか

知的障がい(IQ 70 未満)、言語発達の遅れ、自閉スペクトラム症、注意欠陥多動症などを伴う人に多いようです。

4.この病気の原因はわかっているのですか

16番染色体短腕16p12.1(じゅうにぴーいちにてんいち)領域の欠失によって発症します。

5.この病気では遺伝するのですか

95%は常染色体顕性遺伝形式で、両親のうちの一方から受け継いて発症し、5%は新生変異で発症します。ただし、同じ欠失/重複を持っていても無症状の方もおり、症状の有無は個人により異なります。また、ご自身の16p12.1の欠失がお子さんに遺伝する確率は50%になります。

6.この病気はどのような症状が起きますか

知的障がい、言語発達の遅れや言語障がい、自閉スペクトラム症、精神症状が主な症状です。その他、心疾患(左心低形成、ファロ-四徴症など)、睡眠障害、てんかん、成長障害、小頭症、難聴、筋緊張低下、生殖器の異常、仙骨部皮膚陥凹、脊髄係留など。顔立ちに特徴があると言われることもありますが、実際には認識することは困難です。多様な臨床症状を示し、非特異的な染色体欠失症候群です。

7.この病気にはどのような治療法がありますか

症状が多岐にわたるため、各々に対応した治療が必要です。定期診察を通じて合併症に早期に対応していくことが可能です。合併症に対して各々の治療を行います。また、療育やリハビリも有用です。無症状な人も含めて遺伝学的診断に基づく遺伝カウンセリングは大切です。

8.この病気はどのような経過をたどるのですか

合併症によりますが、一般的に生命予後が不良であるという報告はありません。

9.この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

特別な注意は必要ありませんが、各合併症に応じた注意は必要です。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

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