疾患概要
(患者・ご家族の方向け)

30) TAR症候群

1. 「TAR(たー)症候群」とはどのような病気ですか

両側性の橈骨欠損と血小板減少を特徴とする疾患で、染色体微細構造異常症候群の1つです。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

世界でも非常に稀で、日本での患者さんの数は不明です。

3. この病気はどのような人に多いのですか

原因となる染色体の欠失や遺伝子の変異を有している保因者同士のカップルにおいて、25%の確率で生じます。

4. この病気の原因はわかっているのですか

1番染色体の 1q21.1(いちきゅーにいちてんいち)領域を含む欠失や、その部分に存在するRBM8A 遺伝子の変異を両親の双方から受け継ぐことによって発症します。

5. この病気は遺伝するのですか

欠失や遺伝子の変異を有している保因者同士のカップルにおいて、常染色体潜性遺伝形式で生じます。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

生まれつき、前腕の橈骨欠損が認められます。血小板減少症は先天性の場合もあれば、生後数週間から数か月で発症する場合もあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

血小板減少症に対しては、必要に応じて血小板輸血が行われます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

出生後早期は血小板減少を認めますが、血小板数は1歳までに自然に正常化し、2 歳を過ぎるとほとんど問題がなくなります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

血小板数が少ないうちは頭蓋内出血のリスクがありますので、専門医による治療が必要です。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

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