疾患概要
(患者・ご家族の方向け)

46)CTNNB1関連神経発達症(3p22.1欠失症候群)

1. 「CTNNB1関連神経発達症(あるいは、3p22.1(さんぴーにいにてんいち)欠失症候群)」とはどのような病気ですか

3番染色体短腕(3p22.1領域)のCTNNB1遺伝子の機能が失われることにより、知的発達症、手足の痙性麻痺(痙縮)、眼症状などを主徴とする、染色体微細構造異常症候群の1つです。ANKRD17遺伝子の機能が失われることにより、知的発達症、神経発達症を主症状とする、染色体微細構造異常症候群の1つです。成長障害や摂食障害、てんかんなどの合併を認めることがあります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

正確な患者数は分かっていません。

3. この病気はどのような人に多いのですか

性別や人種差、生活習慣とは無関係に発症する可能性があります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

大多数は3番染色体短腕(3p22.1領域)に位置するCTNNB1遺伝子のバリアント(変化)により、遺伝子の機能が失われることが原因と考えられています。少数例で、CTNNB1遺伝子を含む3番染色体短腕の領域(3p22.1)の微細な欠失による発症も報告されています。

5. この病気は遺伝するのですか

常染色体顕性遺伝形式を示し、これまでの報告はすべて新生変異です。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

言語の遅れを伴う知的発達症を認め、軽度から重度まで様々です。90%近くに手足の痙縮があり、40%近くで滲出性硝子体網膜症を合併します。その他、体幹部の筋緊張低下、小頭、屈折異常や斜視などの症状や、行動の問題を伴うことがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

現時点では根本的な治療法は確立していません。痙縮や筋緊張低下に対する理学療法や、知的発達症や行動の問題に対する療育や支援を行うとともに、それぞれの合併症に対する適切な治療を行います。手足の痙縮に対しては理学療法に加えて、症状に応じた薬物治療(ボツリヌス注射やバクロフェン髄注療法)を、眼合併症に対しては屈折異常に対する視力矯正や滲出性硝子体網膜症に対するレーザー治療などが検討されます。専門家の指導のもとで継続的なケアを受けることが重要です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

知的発達症の程度や、眼合併症や痙縮の重症度が生活機能の予後に影響します。症状に応じた適切な治療や支援を受けることで、生活の質の改善が期待されます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

特別な注意は必要ありませんが、症状や合併症に応じた注意が必要です。

10. この病気に関する資料・関連リンク

詳細な情報やサポートを求める際は、信頼性のある医療機関のウェブサイトや関連する団体の情報を参考にすることが重要です。遺伝医療の専門医や専門の医療チームと相談することで、より詳しい情報を得ることができます。

●参考文献●

  1. Miroševič Š, Khandelwal S, Sušjan P, et al. Correlation between Phenotype and Genotype in CTNNB1 Syndrome: A Systematic Review of the Literature. Int J Mol Sci. 2022 Oct 19;23(20):12564. doi: 10.3390/ijms232012564.
  2. Ho SKL, Tsang MHY, Lee M, et al. CTNNB1 Neurodevelopmental Disorder.2022 May 19. In: Adam MP, Feldman J, Mirzaa GM, Pagon RA, Wallace SE, Amemiya A, editors. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993–2024.
  3. Lee S, Jang SS, Park S, et al. The extended clinical and genetic spectrum of CTNNB1-related neurodevelopmental disorder.Front Pediatr. 2022 Jul 22;10:960450. doi: 10.3389/fped.2022.960450. eCollection 2022.
  4. Kayumi S, Pérez-Jurado LA, Palomares M,et al. Genomic and phenotypic characterization of 404 individuals with neurodevelopmental disorders caused by CTNNB1 variants. Genet Med. 2022 Nov;24(11):2351-2366. doi:10.1016/j.gim.2022.08.006. Epub 2022 Sep 9.
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