疾患概要
(患者・ご家族の方向け)

31) WAGR症候群

1. 「WAGR(だぶりゅーえーじーあーる)症候群」とはどのような病気ですか

ウィルムス腫瘍(Wilms’ Tumor)、無虹彩症(Aniridia)、泌尿生殖器異常(Genito-Urinary Anomalies)、精神発達の遅れ(mental Retardation)などの症状を示す疾患で、染色体微細構造異常症候群の1つです。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

日本では100人程度の患者さんが存在すると考えられます。

3. この病気はどのような人に多いのですか

人種差や生活習慣とは無関係で、どの夫婦にも生まれてくる可能性があります。

4. この病気の原因はわかっているのですか

11 番染色体の 11p13(じゅういちぴーいちさん)領域には、無虹彩の原因遺伝子 PAX6 とウィルムス腫瘍の原因遺伝子 WT1 が隣接して存在しており、この 2 つの遺伝子がともに欠失していることが原因です。

5. この病気は遺伝するのですか

ほとんどの患者さんは新生変異で生じた染色体の欠失が原因です。ただ、11p13 の欠失を持つ患者さんでは、次の世代には 50%の頻度で受け継がれます。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

出生後すぐに、虹彩が無いことによる強い眩しさで気付かれます。無虹彩症の患者さんのうち、遺伝学的検査で 11p13 欠失が認められた患者さんでは、45~60%が学童期までにウィルムス腫瘍を発症するとされています。知的障がいや発達障がいを認めることが多いですが、症状には幅があります。成年期以降に、腎機能障害を示すとされています。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

根本的な治療法はありません。無虹彩症に対しては眼科的な対応が必要です。診断がついたらウィルムス腫瘍のサーベイランスが必要となり、学童期までは3カ月毎の腹部超音波検査などで、ウィルムス腫瘍の早期発見に心掛ける必要があります。ウィルムス腫瘍に対しては外科的な対応が必要になります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

発達はゆっくりと伸びていきますが、多動などの発達障がいの症状を示すことが多く、就学後は支援学級を利用しながら成長を見守っていくことが多いです。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

学童期以降は、発達の特性から、薬物療法による情緒の安定化やコミュニケーション・ツールの利用が必要になることもあります。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

11. この病気に関する資料・関連リンク

日本 WAGR 症候群の会 https://sites.google.com/view/wagr-japan/home?authuser=1

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