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36)ACTBハプロ不全症候群
1. 「ACTBハプロ不全症候群」とはどのような病気ですか
ACTB遺伝子を含む7番染色体短腕(7p22.1領域)の欠失、あるいはACTB遺伝子の機能喪失変異により、軽度から中等度の知的発達症、成長障害を主症状とする、染色体微細構造異常症候群の1つです。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
正確な患者数は分かっていません。
3. この病気はどのような人に多いのですか
性別や人種差、生活習慣とは無関係に発症する可能性があります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
7番染色体短腕(7p22.1領域)の欠失、あるいは、同部位にあるACTB遺伝子が機能しないハプロ不全といわれる病態が原因と考えられています。
5. この病気は遺伝するのですか
常染色体顕性遺伝形式を示しますが、多くは新生変異で生じます。軽度の症状のある親からの遺伝例も報告がありますが、正確な発症機序は不明です。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
軽度から中等度の幅広い知的発達症と成長障害、共通した顔立ち(波形で途切れた眉毛、長い睫毛、眼間開離、幅広い鼻と口など)を主要症状とし、その他に、小頭、筋緊張低下、鼠径ヘルニア、先天性心疾患等の症状を認めることがあります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
現時点では根本的な治療法は確立していません。筋緊張低下や知的発達症に対するリハビリテーションや療育、発達の支援とともに、先天性心疾患等の合併症に応じた適切な治療が必要です。専門家の指導のもとで継続的なケアを受けることが重要です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
知的発達症や先天性心疾患等の重症度によりますが、一般に生命予後が不良との報告はありません。症状に応じた適切な治療や支援を受けることで、生活の質の改善が期待されます。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
特別な注意は必要ありませんが、症状や合併症に応じた注意が必要です。
10. この病気に関する資料・関連リンク
詳細な情報やサポートを求める際は、信頼性のある医療機関のウェブサイトや関連する団体の情報を参考にすることが重要です。遺伝医療の専門医や専門の医療チームと相談することで、より詳しい情報を得ることができます。
●参考文献●
- Shimojima K, Narai S, Togawa M,et al.7p22.1 microdeletions involving ACTB associated with developmental delay, short stature, and microcephaly. Eur J Med Genet. 2016 Oct;59(10):502-6.
- Cuvertino S, Stuart HM, Chandler KE,et al. ACTB Loss-of-Function Mutations Result in a Pleiotropic Developmental Disorder. Am J Hum Genet. 2017 Dec 7;101(6):1021-1033.
- Palumbo O, Accadia M, Palumbo P,et al.Refinement of the critical 7p22.1 deletion region: Haploinsufficiency of ACTB is the cause of the 7p22.1 microdeletion-related developmental disorders. Eur J Med Genet. 2018 May;61(5):248-252.
- Baumann M, Beaver EM, Palomares-Bralo M, Santos-Simarro F,et al. Further delineation of putative ACTB loss-of-function variants: A 4-patient series. Hum Mutat. 2020 Apr;41(4):753-758.