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54)KBG症候群(ANKRD11を含む16q24.3欠失症候群)
1. 「KBG症候群(けーじーびー症候群、あるいは、ANKRD11を含む16q24.3(じゅうろくきゅーによんてんさん)欠失症候群)」とはどのような病気ですか
ANKRD11遺伝子のバリアント(変化)により、知的発達症や共通した顔立ちなどの多彩な症状を認める染色体微細構造異常症候群の1つです。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
正確な患者数は分かっていません。
3. この病気はどのような人に多いのですか
性別や人種差、生活習慣とは無関係に発症する可能性があります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
16番染色体長腕(16q24.3領域)に位置するANKRD11遺伝子のバリアント(変化)または、16番染色体長腕(16q24.3領域)の欠失が原因と考えられています。ANKRD11遺伝子にバリアント(変化があり、2つあるANKRD11遺伝子のうち、どちらか一方が欠失することで機能しない状態(ハプロ不全)によって生じるものは、KBG症候群と呼ばれています(KBGとは、最初に報告された患者さんのイニシャルです)。
5. この病気は遺伝するのですか
X染色体連鎖遺伝形式を示しますが、ほとんどは新生変異と考えられています。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
知的発達症、行動の問題と共通した顔立ちが主な症状です。約70%の患者さんはANKRD11遺伝子のバリアント(変化)によるものです。欠失の場合はその範囲によって含まれる遺伝子が異なるため、、症状がより重度になったり、多彩な症状の合併が認められたりすることがあります。
知的発達症の程度はさまざまです。自閉スペクトラム症をしばしば合併します。顔立ちの特徴として、①大きな前歯(特に上顎)、②逆三角形の顔、③短頭、④眼間開離、⑤太く濃い眉毛などがあげられますが、しこれらの特徴がない患者さんもいます。
その他に、低身長、先天性心疾患(心房中隔欠損症、動脈管開存、肺動脈狭窄など)、消化管症状(便秘、胃食道逆流、嚥下障害など)、聴力障がい、てんかんなどがみられることがあります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
現時点では、根本的な治療法は確立していません。患者さんの症状の程度に応じた包括的な健康管理が望まれます。また、随伴する症状に対しては対症療法を行います。専門家の指導のもとで継続的なケアを受けることが重要です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
これまでに生命予後が不良であるという報告はありませんが、合併症の程度により異なります。症状に応じた適切な治療や支援を受けることで、生活の質の改善が期待されます。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
特別な注意は必要ありませんが、症状や合併症に応じた注意が必要です。
10. この病気に関する資料・関連リンク
詳細な情報やサポートを求める際は、信頼性のある医療機関のウェブサイトや関連する団体の情報を参考にすることが重要です。遺伝医療の専門医や専門の医療チームと相談することで、より詳しい情報を得ることができます。
●参考文献●
- Morel Swols D, Tekin M. KBG Syndrome. 2018 Mar 22. In: Adam MP, Feldman J, Mirzaa GM, et al., editors. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2024. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK487886/
- Morel Swols D, Foster J 2nd, Tekin M. KBG syndrome. Orphanet J Rare Dis. 2017 Dec 19;12(1):183. doi: 10.1186/s13023-017-0736-8.
- Parenti I, Mallozzi MB, Hüning I, Gervasini C, Kuechler A, Agolini E, Albrecht B, Baquero-Montoya C, Bohring A, Bramswig NC, Busche A, Dalski A, Guo Y, Hanker B, Hellenbroich Y, Horn D, Innes AM, Leoni C, Li YR, Lynch SA, Mariani M, Medne L, Mikat B, Milani D, Onesimo R, Ortiz-Gonzalez X, Prott EC, Reutter H, Rossier E, Selicorni A, Wieacker P, Wilkens A, Wieczorek D, Zackai EH, Zampino G, Zirn B, Hakonarson H, Deardorff MA, Gillessen-Kaesbach G, Kaiser FJ. ANKRD11 variants: KBG syndrome and beyond. Clin Genet. 2021 Aug;100(2):187-200. doi: 10.1111/cge.13977. Epub 2021 May 14.