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55)Malan症候群(NFIXを含む19p13.2欠失症候群)
1. 「Malan(マラン)症候群(あるいは、NFIXを含む19p13.2(じゅうきゅうぴーいしさんてんに)欠失症候群)」とはどのような病気ですか
19番染色体短腕(19p13.2領域)のNFIX遺伝子を含む微細な欠失、あるいはNFIX遺伝子のバリアント(変化)によってその機能が失われることにより、知的発達症と、前頭の突出や三角の顔などの共通した顔立ちを示す、染色体微細構造異常症候群の1つです。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
正確な患者数は分かっていません。
3. この病気はどのような人に多いのですか
性別や人種差、生活習慣とは無関係に発症する可能性があります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
19番染色体短腕(19p13.2領域)のNFIX遺伝子を含む欠失、あるいはNFIX遺伝子のバリアント(変化)により機能が失われることが原因です。
5. この病気は遺伝するのですか
常染色体顕性遺伝形式を示しますが、ほとんどが新生変異と考えられています。稀に無症状の親からの遺伝で発症した患者さんの報告があり、親の生殖細胞系列モザイク(卵子や精子の細胞に遺伝子のバリアントがあること)が原因と推測されています。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
中等度から重度の知的発達症、自閉スペクトラム症、行動の問題、聴覚過敏などが認められます。体格はスレンダーで共通した顔立ち (目立つ前頭、前頭部の突出、長い三角の顔、目立つ顎、薄い上口唇など)、大頭(2SD以上)がみられます。骨格の症状として、長い手、漏斗胸、側弯などがみられ、3割の患者さんで骨折のリスクが高いという報告があります。眼科的異常 (屈曲異常、青色強膜、斜視など)などを示します。てんかんの合併症もあり、頭部MRIでは側脳室の拡大、脳梁の低形成、キアリI型奇形などがみられることがあります。心疾患の合併は少ないとされています。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
現時点では、根本的な治療法は確立していません。症状が多岐にわたるため、それぞれの症状に応じた治療が必要となります。定期的な発育測定(身長、体重、頭囲など)および、小児神経科、整形外科、眼科などの定期的なフォローが望まれます。骨折を合併した患者さんでは、骨密度の測定と骨粗しょう症の予防や治療が必要です。専門家の指導のもとで継続的なケアを受けることが重要です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
これまでに生命予後が不良であるという報告はありませんが、知的発達症の重症度や、てんかん、心疾患の有無により異なります。症状に応じた適切な治療や支援を受けることで、生活の質の改善が期待されます。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
特別な注意は必要ありませんが、症状や合併症に応じた注意が必要です。
10. この病気に関する資料・関連リンク
詳細な情報やサポートを求める際は、信頼性のある医療機関のウェブサイトや関連する団体の情報を参考にすることが重要です。遺伝医療の専門医や専門の医療チームと相談することで、より詳しい情報を得ることができます。
●参考文献●
- Bellucco FT, de Mello CB, Meloni VA, et al. Malan syndrome in a patient with 19p13.2p13.12 deletion encompassing NFIX and CACNA1A genes: Case report and review of the literature. Mol Genet Genomic Med 2019;7(12): e997. doi: 10.1002/mgg3.997
- Klaassens M, Morrogh D, Rosser EM, et al. Malan syndrome: Sotos-like overgrowth with de novo NFIX sequence variants and deletions in six new patients and a review of the literature. Eur J Hum Genet 2015;23(5):610-15. Doi: 10.1038 /ejhg.2014.162.
- Macchiaiolo M, Panfili FM, Vecchio D, et al. A deep phenotyping experience: up to date in management and diagnosis of Malan syndrome in a single center surveillance report. Orphanet J Rare Dis 2022;17(1):235. doi: 10.1186/s13023-022-02384-9