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57)SOX2関連症候群(3q26欠失症候群)
1. 「SOX2関連症候群(あるいは、3q26(さんきゅーにろく)欠失症候群)」とはどのような病気ですか
3番染色体長腕(3q26領域)のSOX2遺伝子を含む微細な欠失または、SOX2遺伝子の機能が失われることにより、無眼球症あるいは小眼球症を中心的な症状としてさまざまな臓器の合併症を伴う、染色体微細構造異常症候群の1つです。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
正確な患者数は分かっていません。
3. この病気はどのような人に多いのですか
性別や人種差、生活習慣とは無関係に発症する可能性があります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
SOX2遺伝子を含む3番染色体長腕(3q26領域)の微細欠失、またはこの領域の2つあるSOX2遺伝子のうちどちらか一方が機能しなくなること(ハプロ不全)が原因です。欠失の場合、その範囲はさまざまです。
5. この病気は遺伝するのですか
常染色体顕性遺伝形式を示しますが、約60%は新生変異と考えられています。そのほか、症状のある両親からの遺伝、または症状のない親からの遺伝の症例も報告されており、無症状の親からの遺伝では、親の生殖細胞系列モザイク(卵子、精子の細胞に遺伝子のバリアントを有すること)が推測されます。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
無眼球症あるいは小眼球症が中心的な症状です。その他に、脳の形成異常、知的発達症、運動発達の遅れ、筋緊張低下、てんかん、痙性、ジストニア、食道閉鎖、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症、下垂体低形成、成長障害、難聴などの症状を伴うことがあります。自閉スペクトラム症やADHDなどの神経発達症を示すことがあります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
現時点では、根本的な治療法は確立していません。無眼球症あるいは小眼球症に対しては、早期に眼科での専門的な診察が必要です。リハビリテーションや療育、行動上の問題への対応、内分泌系の症状に対する評価、必要に応じて薬物療法などを行います。専門家の指導のもとで継続的なケアを受けることが重要です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
これまでに生命予後に関する十分な報告はありませんが、知的発達症やてんかんなどの重症度によって異なると考えられます。症状に応じた適切な治療や支援を受けることで、生活の質の改善が期待されます。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
特別な注意は必要ありませんが、症状や合併症に応じた注意が必要です。
10. この病気に関する資料・関連リンク
詳細な情報やサポートを求める際は、信頼性のある医療機関のウェブサイトや関連する団体の情報を参考にすることが重要です。遺伝医療の専門医や専門の医療チームと相談することで、より詳しい情報を得ることができます。
●参考文献●
- Fantes J, Ragge NK, Lynch SA, et al. Mutations in SOX2 cause anophthalmia. Nat Genet. 2003;33(4):461-3.
- Bakrania P, Robinson DO, Bunyan DJ, et al. SOX2 anophthalmia syndrome: 12 new cases demonstrating broader phenotype and high frequency of large gene deletions. Br J Ophthalmol. 2007;91(11):1471-6.
- Suzuki J, Azuma N, Dateki S, et al. Mutation spectrum and phenotypic variation in nine patients with SOX2 abnormalities. J Hum Genet. 2014 59(6):353-6.
- Williamson KA, Yates TM, FitzPatrick DR. SOX2 Disorder. 2006 Feb 23 [Updated 2020
Jul 30]. In: Adam MP, Feldman J, Mirzaa GM, et al., editors. GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2024. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1300/